教育目標
医用工学科では各専門領域の基礎を確実にすることが到達目標です。基盤となる工学の基礎領域は電気電子工学と機械工学の領域です。本学科のカリキュラムはこれら工学の基礎知識を限られた時間内で充実して学べるよう編纂されています。すなわち学年と共にどちらかの工学領域を選択して効果的に学ぶことで専門性を高め、各専門領域を単独で学んだ学生と互角の実力をもつことを目標としています。複数の学問領域を学ぶことから、全学年を通しての学習密度は必然的に高くなります。しかしこれにより、明確な正解が得にくいこともある医工学的諸問題にも、その最適値を的確に短時間で探り出す能力とセンスをもった人材を育成します。
本学科では医学と工学それぞれの知識と技術をカリキュラム構成で有機的に結びつけて学習します。この目標に向けて低学年では、人体内部の構造形態などを探る解剖学や各器官の機能機序を説く生理学などの基礎医学を学習します。同時に、電磁気学や電気回路などの電気電子工学の基礎、工業力学や機械材料工学などの機械工学の基礎など、両領域の基礎を学習します。
高学年では、健康を評価するための診断内科学や病気の状態を調べる病理検査学、脳の働きを探る脳神経認知学など医学系知識と、電子工学または機械工学そのどちらか一方の工学領域を学習し専門性を高めます。また人間の根源に関する考え方の基本となる医の倫理や、複雑な人間の全体像を把握するための医学統計学など、医学と工学を融合する基本知識も学習します。